ポンプの芯出しとは？正しい手順とポイントを徹底解説！

ポンプの芯出しとは、ポンプと原動機（モータなど）の軸心を正確に一致させる作業です。この芯出しがずれていると、ポンプに様々な悪影響を及ぼします。

芯出し不良が引き起こす問題点

・振動の発生 軸心のずれは、回転時に振動を引き起こし、ポンプ本体や配管、周辺機器へのダメージを与えます。
・軸受やカップリングの摩耗・損傷 振動は軸受やカップリングに過大な負荷をかけ、摩耗や損傷を加速させます。
・ポンプ効率の低下 芯ずれによりエネルギーロスが生じ、ポンプの効率が低下し、電力消費量の増加につながります。
・騒音の発生 振動に伴い、騒音が発生し、作業環境の悪化を招きます。
・設備寿命の短縮 上記のような問題が重なることで、ポンプの寿命が短くなり、設備更新の頻度が高くなってしまいます。

正確な芯出しを実現するための方法

ポンプの芯出しには、主に以下の方法が用いられます。

・ダイヤルゲージ法 ダイヤルゲージを用いて軸受ハウジングのフランジ部を測定し、芯ずれ量を把握する方法です。比較的簡易な方法ですが、熟練した技術が必要です。
・レーザー式芯出し計 レーザー光を用いて高精度な芯出しを行う方法です。ダイヤルゲージ法に比べ、作業時間の大幅な短縮と測定精度の向上が見込めます。

芯出し作業の準備

1.安全確認 作業前にポンプとモーターの電源を切り、誤作動を防止します。
2.目視検査 ポンプとモーターの設置状態、ボルトの締め付け、シャフトの状態などを目視で確認します。
3.必要な工具の準備 ダイヤルゲージ、レーザー式芯出し計、シム、レンチなどの工具を準備します。

芯出し作業の手順

1.粗調整 ポンプとモーターの軸心がおおまかに一致するように、位置を調整します。
2.測定 ダイヤルゲージまたはレーザー式芯出し計を用いて、芯ずれ量を測定します。
3.調整 測定結果に基づき、シムなどを用いてポンプまたはモーターの位置を調整します。
4.再測定 調整後、再度芯ずれ量を測定し、許容値内に収まっていることを確認します。
5.本締め 芯ずれ量が許容値内であれば、ポンプとモーターの取付ボルトを本締めします。

芯出し作業のポイント

・作業前の準備 芯出し作業を行う前に、ポンプの周囲に十分な作業スペースを確保し、必要な工具や測定器を準備しましょう。
・安全対策 作業中は、安全保護具を着用し、安全手順を遵守することが重要です。
・記録の保管 芯出し作業後は、測定値や作業内容を記録として保管しておきましょう。
・定期的な芯出し 定期的な点検・メンテナンスと合わせて、専門業者による芯出し作業を実施することで、設備の信頼性を高め、工場の生産性向上につなげましょう。

陸上ポンプの芯出し

工場で使用される陸上ポンプの芯出しは、ポンプの性能と寿命を最大限に引き出すために非常に重要な作業です。以下に、陸上ポンプの芯出し方法について詳しく説明します。

芯出しの準備

1.安全確認 作業前にポンプとモーターの電源を切り、誤作動を防止します。
2.目視検査 ポンプとモーターの設置状態、ボルトの締め付け、シャフトの状態を確認します。
3.必要な工具の準備 ダイヤルゲージやレーザーアライメントツールなどの測定器具を用意します。

芯出しの手順

1.粗調整

・ポンプとモーターの軸心が大まかに一直線上にあるように配置します。
・水準器を使用して、ポンプとモーターの水平度を確認します。

2.測定

・カップリングの外周および面間の4箇所を測定します。
・測定には以下のいずれかの方法を使用します
・ダイヤルゲージ法 カップリングにマグネット付きダイヤルゲージをセットし、回転させながら測定します。
・テーパーゲージ法 カップリングの隙間をテーパーゲージで測定します
・レーザーアライメント法 高精度で効率的な測定が可能です。

3.許容値の確認

・カップリング外周の段違い 0.05mm以内
・面間のすき間の差 0.1mm以内

4.調整

・モーターの取付ボルトを緩め、シムを追加または除去して高さを調整します
・左右の位置も必要に応じて調整します。

5.再測定と微調整

調整後、再度測定を行い、許容値内に収まるまで調整を繰り返します。

6.最終確認

・すべての調整が完了したら、ボルトを完全に締め付けます。
・最終測定を行い、芯出しが正確に行われたことを確認します。

注意点

・新品のポンプでも、運送中の振動や据付時の応力で芯ずれが生じる可能性があるため、必ず芯出しを行います。
・配管の接続後も芯ずれが生じる可能性があるため、配管接続後に再度確認することが重要です
・芯出し不良は振動、カップリングの摩耗、ベアリングの短寿命などの問題を引き起こす可能性があります。

正確な芯出しを行うことで、ポンプの性能向上、寿命延長、メンテナンスサイクルの延長が期待できます。 定期的な点検と必要に応じた再調整を行うことで、長期的な設備の安定稼働を実現できます。

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